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愛の研究室

講義が終わると可愛い女子学生が近寄り、円らな瞳で私を見つめました。

「先生に個人的な相談をしたいのですが、よろしいですか。」

私は、女子学生が話しやすいように大学を出て、女子学生を連れて大学病院の中にある喫茶店に入りました。

私達は、一般客から離れた一番奥のテーブルに座りました。

茶色いレンガ造りの壁は、落ち着いた雰囲気で、コーヒーの薫りが漂っていました。

私達は、温かいカフェオレを頼みました。

「先生、実は同じ学部の彼と付き合っているのですが、月のものがまだ来なくて彼にそれを話したら、別れ話になってしまいました。私は、彼と結婚して、彼の子供を産みたいのです。」

学生は、眼に涙を浮かべながら話終えると、堰を切ったように涙が溢れました。

私は、直ぐに女子学生の体を優しく抱き締めてあげました。

「辛かったでしょう。私が彼に話をつけるから心配しないで。」

私は、女子学生の耳元で、優しく話しました。

翌日、講義の後、男子学生を研究室に呼び出しました。

誰もいない研究室には、私だけが残っていました。

やがて研究室のドアがノックされ、男子学生が入ってきました。

男子学生は、何か勘違いしているかのように笑顔で私の側に近寄りました。

例え教え子と言えども体は大人の男性です。

私は、男子学生と手が届かない位の距離を取り、男子学生を椅子に座らせました。

男性恐怖症の私にとって、大人の男性は恐ろしい生き物です。

私は、女子学生のことを想い、勇気を出して話しました。

「恋愛は、自由ですが責任も伴います。あなたの行いは、女性を傷付けるだけでなく、産まれてくる新たな命も危険にさらせているのです。私達は、大切な命を預かっています。その事をあなた自身もよく考えてください。」

すると男子学生は、ニヤニヤしながら「先生、独身ですか。まだ男を知らないでしょう。」と話し、突然、私の体を強い力で抱き締め、机の上に押し倒しました。

私は、男子学生の体を離そうと手で体を何度も押しましたが、重くて体を動かすことが出来ず、体を押し付けられたままスカートを捲られ、ショーツに手を掛けられたところで、「止めなさい。大声を出しますよ。」と叫びました。

すると男子学生は、我に返ったように力を緩め私の体から離れました。

私は、直ぐに乱れた服を整えました。

すると異変に気が付いたのか研究室のドアがノックされ、隣の研究室から教授が来てくれました。

私は、平静を装い「大丈夫です。」と答えました。

教授が研究室から出て行き、男子学生と二人きりになりました。

私は、男子学生の手を握り、眼を見ながら「君のしたことは、女性を傷付けているだけで、ただ自分の欲望を満たしているだけよ。それならセックスするより、オナニーしてたらいいじゃない。」と優しく話しました。

すると男子学生は、眼に涙を浮かべ「ごめんなさい。ごめんなさい。」と何度も泣きながら、頭を下げました。

その翌日、女子学生から「先生、ありがとうございます。彼が泣きながら、謝ってくれました。彼と一緒に産婦人科に行き診てもらったら、妊娠していませんでした。」と嬉しそうに話してくれました。

若い学生達には、伝えて行かなければならないことがあります。

私達は、大切な命を預かっています。

その大切な命を見つめる人を育てるには、憎しみではなく愛情をもって接することなのです。

私は、まだ愛を知らない若い学生達に研究室で愛を教えているのです。