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全米ベストセラー小説『火星の人』の映画版『オデッセイ』、評価が真っ二つ>なんだろうか

全米ベストセラー小説『火星の人』の映画版『オデッセイ』、評価が真っ二つの理由

2016年02月05日

(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

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 『エイリアン』(1979年)に『ブレードランナー』(1982年)と、今なお輝きを失わないSF映画の金字塔作品を生み出してきたリドリー・スコット監督。『グラディエーター』(2000年)では作品賞・主演男優賞をはじめ、アカデミー賞5部門に輝くなど数多くの名作映画を撮り続けてきた彼が、主演にマット・デイモンを迎えて作り上げた最新SF大作、『オデッセイ』が公開される。原作はベストセラーになった『火星の人(原題:The Martian)』で、火星にただ1人、取り残されてしまった宇宙飛行士の奇跡の帰還を描いている。

 2015年10月2日に封切られた全米では、2016年1月31日時点で興収2億2793万8641ドル(273億5263万円/1ドル120円換算)を達成。これまでのスコット監督の作品中最大のヒット作だった『グラディエーター』(1億8770万5427ドル/225億2465万円)をすでに抜き去るヒットとなっている。

(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

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スコット監督は冒頭でも紹介した『エイリアン』『ブレードランナー』『グラディエーター』をはじめ、近年では『エクソダス:神と王』(2014年)、『悪の法則』(2013年)、『プロメテウス』(2012年)などの映画を作ってきた。彼の作品に登場する人物は、『ブレードランナー』のハリソン・フォード然り、『グラディエーター』のラッセル・クロウ然り、『エクソダス:神と王』のクリスチャン・ベイル然り、皆、深刻な表情を浮かべてきた。登場人物だけでなく、紡ぎ出す物語もまた暗く重めだったり、救いがたい内容が多いのも特徴だった。

 それだけに今回、同じように救いがたい状況でも、超ポジティブなワトニーの存在が、ともすると難しく感じるSF映画を楽しく感じさせている。それが、ヒットをあと押ししている理由ではないかと思われる。

 演じたマット・デイモンの演技がまたすばらしい。トム・ハンクスが「アンディ・ウィアー(原作者)の大傑作! マット・デイモンに嫉妬する!」と原作の画像と合わせてツイートしたことで世界中で話題になったが、デイモンの演技はそんな称賛に値するもので、今年度のアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされている。ちなみに『オデッセイ』はこの主演男優賞のほか、作品賞、脚色賞、美術賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞の計7部門でノミネートされている。

とはいえ、本作の評価は観る人によって真っ二つ。リアリティーがあると考えるか、ないと考えるかで大きく分かれそうだ。

 脚本から撮影までのプロジェクト全般でNASAが協力しており、科学的にもそれなりのリアリティーを積み重ねている作品ながら、それでもなお、ワトニーが火星で水を作り出し、家庭菜園をはじめる姿にリアリティーがないと感じ、結果的に物語世界に入っていけない人も多い。

 また、後半になって中国が協力するシーンも登場するのだが、これに、急成長する中国映画市場を意識して媚びていると感じるという話も聞く。実際には原作にも中国のシーンが登場しており、映画化の際に中国を付け足したわけではないことも付記しておこう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー

http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1031828/020400018/?P=5